PET検査

PET検査の副作用と注意点―検査直後は妊婦・子どもとの接触は控えること

PET検査副作用 PET検査
上昌広
こちらの記事の監修医師

東京大学医学部卒医学博士。特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長

上昌広(かみ まさひろ)
山本 佳奈
こちらの記事の監修医師

ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本 佳奈(やまもと かな)

PET検査は肺がん、乳がん、大腸がんなど多くの病気の診断に有効であることが近年の研究で証明されてきています。一度の検査でほぼ全身のがんを調べることができ、1cm程度の比較的小さながんも検出できるため、人間ドックのプランにPET検査を導入する病院も増えてきています。年々保険適用も拡大されている注目度の高い検査ですが、放射線を出す薬剤を体内に注射するため、副作用や被爆が心配になるかもしれません。この記事ではPET検査の副作用や注意事項、検査後の過ごし方について解説します。

★こんな人に読んでほしい!
・50歳以上の方
・家族にがんになった方がいる
・PET検査の副作用が気になる方

★この記事のポイント
・PET検査は「がん細胞は正常細胞に比べてブドウ糖を多く取り込む」性質を利用している
・ブドウ糖に似た性質を持ち放射線を出す特殊な薬剤を体内に注射して、体内から放出される放射線(陽電子)を検出して画像にしている
・PET検査が得意とするがんは乳がん、肺がん、大腸がんなど複数あるが、すべてのがんを見つけられるわけではない
・PET検査の費用相場は10万円前後、検査時間は20〜40分程度
・PET検査の放射線被爆による健康への影響は心配ない。ただし、妊婦は原則受けることができない

PET検査とは? 検査のメリット

PET検査の仕組み

がんは大きくなったり活動したりするために多くのブドウ糖を消費(糖代謝)しています。PET検査は、悪性度の高いがんほど健康な細胞に比べて糖代謝が多くなる性質を利用しています。ブドウ糖に似た性質を持つ薬剤で放射線を放出する「FDG薬剤(フルデオキシグルコース、18F-FDGともいう)」を体内に注射し、FDG薬剤の分布を画像化することでがんや疾患の位置を確認します*1

注射したFDG薬剤が体内のどこに集まっているのかを画像化するために使うのが、トンネル型のPET装置です。FDG薬剤の中に含まれる、放射線の一種である陽電子を検出して解析することで、がんが疑われる部位はどこなのかを調べます。一度の検査でほぼ全身を調べられ、がんの有無だけでなく、大きさや転移状態の確認、良性か悪性かの判断の際にも用いられます。なお、近年ではPET検査にCT検査(X線で臓器の形状など身体の内部を撮影する検査)を組み合わせ、三次元的な画像を生成することによってより診断精度が向上した「PET-CT検査」が主流になっています*1

PET検査はがん以外にも、炎症部位やてんかん、アルツハイマー、心筋梗塞などの疾患を調べる際にも用いられている検査です*1。人間ドックなどのがん検診でPET検査を受ける場合は、自由診療であるため医療保険が適用されず、費用は原則全額自己負担ですが、がんにかかっている方の転移状況などを調べる目的によるPET検査は、一定の条件下で保険適用になります*2

【一定の条件下で保険適用となる疾患*2

  • がん(早期胃がんを除く)、悪性リンパ腫:ほかの検査・画像診断による病期診断・転移、再発の診断ができない場合
  • てんかん:難治性部分てんかんで外科切除が必要な場合
  • 心疾患:虚血性心疾患よる心不全の方の心筋バイアビリティ診断/心サルコイドーシスの診断(いずれもほかの検査で診断がつかない場合)
  • 高安動脈炎等の大型血管炎:ほかの検査で病変の局在又は活動性の判断がつかない場合

PET検査が保険適用となるケースの詳細は下記記事をご覧ください。

PET検査で見つかりやすいがん、見つけにくいがん

がんの種類や状態によって、PET検査で発見されやすいがんと発見されにくいがんがあります*3

【PET検査で見つかりやすいがん】
頭頸部(咽頭、副鼻腔、喉頭など)がん、甲状腺がん、食道がん、肺がん、乳がん、膵臓がん、大腸がん、卵巣がん、子宮がん、悪性リンパ腫など

【PET検査で見つけにくいがん】
肝臓がん、前立腺がん、膀胱がん、スキルス性胃がん、腎がん、一部の肺がんなど

PET検査は一般的に1cm程度の大きさになったがんを発見できるとされています*4。なかでもPET検査が発見を得意としているがんは甲状腺がん、肺がん、大腸がん、乳がんなどです。一方で早期胃がんはPET検査では見つかりにくいがんです。また、前立腺がん、腎臓がん、膀胱がんなど、正常な状態でもFDG薬剤が集まりやすい部位は、疾患による集積か否かの区別が難しいため診断が難しくなります*3

このようにPET検査では見つかりにくいがんもあるため、PET検査のみ単独で受け続けることはおすすめできませんCTやMRI、超音波(エコー)検査、内視鏡検査など、各部位に特化した詳細な検査を併用することで、検査精度の向上が期待できます。

PET検査に向いているがん、不向きながんについては下記記事で詳しく解説しています。

PET検査とPET-CT検査の違い

PET検査とは、前述のとおりブドウ糖に似た薬剤を体内に注射し、その集まり方を画像化してがんの有無や大きさなどを調べる検査です。ほぼ全身のがんを一度に調べられる点が大きな特徴の検査でありますが、画像が鮮明でなく、正確な位置や大きさ、形を把握しにくいという課題もあります。

このデメリットを補うべく、PETによる画像にX線を利用し身体の内部を画像化するCT検査を組み合わせたのがPET-CTです。糖の集まり方を見るPET画像と、CTによる身体の断面画像を重ねて三次元的な画像を生成することで、がんの正確な位置や大きさがわかりやすくなり、PET単独あるいはCT単独の検査に比べ、より精度が向上しています。

PET単独検査とPET-CTは検査装置が異なるため、PET-CTを受けるにはPET-CT装置を備えた医療施設を探しましょう。近年ではPET-CT検査が主流となり、導入している医療施設が増えています。

PET検査が受けられる医療施設はこちらから探せます。

PETとPET-CTの違いの詳細は下記記事もご覧ください。

PET検査の費用と検査時間

自覚症状のない方が、がんの早期発見などを目的に人間ドック等でPET検査またはPET-CTを受ける場合、自由診療となり基本的に全額自己負担です。その場合の費用目安は、医療施設によっても異なりますが10万円前後です。

がんにかかっている方のステージ診断や転移状況を調べる際などに行うPET検査は、一定の条件下で保険診療となります。費用目安は3割負担で30,000〜36,000円、1割負担で10,000〜12,000円程度です(初診料・再診料等を除く)。

PET検査自体は30分程度ですが、検査前後にそれぞれ30分〜1時間程度の安静時間や待機時間が必要です。そのため、受付から会計までにかかる時間は、医療施設によって異なりますがおおよそ2〜3時間程度です。

PET検査の流れや安静時間の過ごし方については下記記事で解説しています。

PET検査のメリット

ここまでお話ししたPET検査の特徴からPET検査のメリットをまとめると次のようになります。

  • 部位別のがん検診では調べられない部位も含めて、一度にほぼ全身の検査ができる
  • 検査にともなう痛みや副作用のリスクが低い
  • 1cm程度のがんも見つけることができる
  • がんの悪性度を数値で評価することができる

PET検査にはこのように優れた特徴がいくつもある一方で、留意しておきたい点もあります。次項ではPET検査の副作用や被曝の影響について解説します。

PET検査の副作用

薬剤の副作用はある?

PET検査は安全性が高く、体内に投与するFDG薬剤により具合が悪くなったり体が熱くなったりするなどの副作用はほとんど報告されていません*1。参考までに、FDG薬剤を販売する日本メジフィジックスによると、健常成人男性3例とがん患者284例のうち、薬剤投与後の副作用と判断された臨床検査値に関する異常は11例15件でしたが、いずれも重篤なものではありませんでした*5

CT検査やMRI検査で使用する造影剤は、喘息の方や腎臓が悪い方は受けられないといった制約がありますが、PET検査で使用する薬剤は副作用が出にくいため制約がほとんどありません。使用する薬剤の量も、CT検査の造影剤は100cc程度なのに対してPET検査のFDG薬剤は5cc程度と少量なので身体への負担も少ないです。なお、PET-CT検査もPET検査と同様のFDG薬剤を使用するため、副作用の心配はありません。

ただし、採血などで気分が悪くなったことがある方や注射時のアルコール消毒でかぶれやすい方は、事前に医療施設へ伝えておきましょう。

PET検査の被曝線量では身体への影響はほとんどない

PET検査で投与する薬剤には放射線を出す「ポジトロン核種」が含まれているため、放射線被爆があります。被爆線量は1回あたり約3.5mSv(シーベルト)程度、PET-CT検査はCT検査分の被爆線量が加算され、装置や撮影条件によっては10mSv以上になる可能性があります*2

放射線の被曝線量とがんのリスクについては、100mSv以下では発がんリスクを検出することが極めて難しいと考えられています*6。このことから、PET検査あるいはPET-CT検査による身体への影響は過度に心配しなくても問題ないと言えます。ただし、高頻度でPET検査を受ける場合には、被爆のリスクよりも検査を受ける利益のほうが大きくなるかどうか、医師と相談して決めましょう。詳細は次項で解説します。

被曝がどうしても気になる方は、放射線を使用せずほぼ全身のがん検査ができるドゥイブス(DWIBS)を検討してはいかがでしょう。ドゥイブス(DWIBS)については下記記事で詳しく解説しています。

PET検査の頻度は? 年に何回くらい受けられる?

1回のPET検査の被曝による身体への影響はほとんどないとされていますが、検診目的の方が年に何回受けても問題ないかなど、複数回の検査をどれくらいの間隔を空けるかに関しては慎重に判断する必要があると言えます。

PET-CTを受ける頻度と身体への影響については明確なエビデンスがありません*3。1年に1回の検査が適切としているところもあれば、初回はPET-CTで翌年はPETのみ、2年連続PET-CTを受けたあとは2〜5年おきに受けるなど、医療施設によって方針が異なります。年齢や被曝リスク、がんの罹患リスクなど総合的に勘案し、医師と十分に相談しながら決めていきましょう。

検査を受けられない人

以下のような方はPET検査を受けることができない場合があります。

妊娠中、妊娠の可能性がある方

妊娠中の方や妊娠の可能性がある方は、胎児への放射線被爆があるため原則PET検査を受けることはできません。担当医に他の検査で代用することができないか相談してください。妊娠していることに気づかずに胎児が被曝してしまうリスクを避けるには、生理終了後10日以内に検査を行うのが望ましいとされています。

授乳中の方はPET検査を受けても問題ありません。ただし、母乳に微量の放射線が含まれているため、24時間は授乳を控える、投与後12時間は赤ちゃんとの密な接触をできるだけ避けるなどの制限を指示されることがあります。

糖尿病など血糖のコントロールが不良の方(低血糖で重症化する恐れのある方)

PET検査で投与するFDG薬剤は糖分に似た物質のため、血糖値や糖代謝の影響を受けます。糖尿病の方はもともと体内に糖が多く存在するため、血糖値が慢性的に高いです。このような方がPET検査をするとFDG薬剤が体内に取り込まれず、検査の評価が正しくできないことがあります

安静が困難な方

安静が困難な方は検査を受けられないことがあります。FDG薬剤の注射前後に激しい動きがあると、正しい評価ができないことがあるためです。PET検査中に動くと画像にブレが生じることがあり、また検査台から落ちて怪我をする危険もあります。

生理中(月経期間中)の方

生理中でもPET検査を行うことは可能ですが、避けたほうがよいでしょう。生理中にPET検査を行うと、正常な状態であってもFDG薬剤が子宮内膜に集まりやすく、薬の集積が子宮がんや卵巣がんによるものなのか、月経周期に関わるものなのか区別がつきにくくなります。また、排卵期も子宮内膜と卵巣に薬剤が集まりやすいことが知られています。生理と検査日が重なった場合は、検査前に医療施設へ伝えてください。

バリウムを使う検査を受けた方

PET検査を受ける前に胃や大腸のX線(バリウム)検査をした方は、体内に残ったバリウムが検査の妨げになる可能性があるため、検査ができない場合があります。検査不可としている期間は、PET検査の2〜3日前から、1週間前から、1ヶ月前からなど医療施設によってまちまちです。事前に受診予定の医療施設まで確認しておきましょう。

PET検査の注意事項

PET検査受診前・受診後の注意事項

PET検査を適切に受けるためには、飲食や運動などについていくつかの制限があります。PET検査前、検査当日、検査後の注意事項をまとめました。

検査前

検査前日から激しい運動は控える

検査前に激しい運動をすると正常に評価ができなくなることがあるため、前日から激しい運動は控えましょう。激しい運動をすると筋肉が疲労回復のためにエネルギーを消費して、一部の筋肉にFDG薬剤が集まってしまうためです。たとえばスクワットをすると、画像上では下肢に集まったFDG薬剤が目立ち、ほかの部位の病気が見つけにくくなるといったことが起こる可能性があります。

なお、荷物を持ったり階段を登ったりするなど日常生活程度の運動であれば問題ありません。

検査の4〜6時間前は絶食

検査予定時間の4〜6時間前は絶食します。食事をすると体内ではインスリンというホルモンが分泌され、FDG薬剤の働きを妨げるためです。絶食時間を守れなかった場合、医療施設の判断によっては検査が中止になることもあります。ただし、当日の検査スケジュールに余裕がある場合や食事内容によっては検査を行えることもあるため、食事をした場合は検査前に医療施設まで必ず申告しましょう。

糖尿病薬の服用中止

糖尿病の方は血糖値を下げる薬の服用を一時的に中止することがあるため、事前に担当医に相談してください。痛み止めや常用薬などは飲んでいてもPET検査には問題ありません。

検査当日

検査前は糖分のない水やお茶で水分補給を

検査前の水分補給は、糖分を含まない水やお茶なら問題ありません検査後の排尿をうながすために積極的に摂るとよいでしょう。砂糖やミルクなど、糖分を含む飲み物は検査結果に影響が出てしまうため摂取できません。ジュースやスポーツドリンクといった飲料に加え、アメやガムも不可です。コーヒーや紅茶は砂糖やミルクが入っていなければ問題ないとしている医療施設もあれば、ブラックコーヒーは不可としているところもあります。医療施設によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

金具のない服装なら着替えなし、化粧も問題ない

PET検査を受ける際は検査着に着替えることが多いため、来院時の服装に制限はありません。スムーズに検査を受けるには着脱しやすい服装が望ましいでしょう。医療施設によっては、金具などのない服装であれば、検査着に着替えずそのまま検査を受けてもよいとしているところもあります。

化粧については、検査に影響しないため多くの場合化粧をしたままで問題ないとしている医療施設が多いです。ただし、どんな検査においても、体調の急変に備えて顔色や爪の様子がわかるようにしておくことが大切です。化粧をする場合はナチュラルメイクで、ネイルはオフしておきましょう。また、薬剤注射後の安静時間には目を閉じて静かに待機することを支持する医療施設もあります。コンタクトレンズを使用している方はメガネで受診するか、外せるようにコンタクトレンズケース等を持参するとよいでしょう。

人間ドックなどを受ける際の服装やメイクについては下記記事で詳しく解説しています。

注射後1時間は安静にする

PET検査では、装置に入る前に薬剤を注射し、その後1時間程度安静に過ごし薬剤を身体に行き渡らせます。注射後は身体活動を最小限にすることで適切な検査ができるよう、運動はもちろん音や光の刺激すらない状態での待機が望ましいとされています。安静時間に読書や音楽を聴く、会話なども禁止し、検査時間までマッサージチェアのような椅子でアイマスクをして静かにしているよう指示する医療施設が多いです。検査直前は膀胱内を観察しやすくするために、トイレに行くように案内されます。

検査中は身体を動かさない

PET検査の撮影時間自体は20〜40分程度です。トンネル型のPET装置に横たわっているだけで終了します。検査中に気分が悪くなったなどの場合は、身体を動かさずに検査技師に伝えましょう。

PET検査後の過ごし方は? 注意事項とよくある質問

検査後は基本的に通常通りの生活で問題ありませんが、体内に注射した薬剤から微量の放射線が放出されるため、妊娠中の方や赤ちゃん、子どもとの密な接触は控えましょう。PET検査後の過ごし方について、よくある質問をまとめました。

検査後は薬剤を排出するために多めに水分を摂取

検査で注射した薬剤は尿と一緒に体外へ出ていくため、水やお茶を多めに飲み排出をうながしましょう。身体から出る放射線は時間が経つにつれて急速に少なくなり、4〜5時間程度で注射したときの約10分の1程度まで減少します。自分の身体や周りの人の体調に影響が出る量ではないため、基本的には日常生活をして問題ありませんが、むやみに人混みへ行くことは控えましょう。また、トイレのあとは念入りな手洗いを心がけてください

妊婦や赤ちゃん、子どもとの接触はできるだけ避ける

胎児や乳幼児は大人に比べて放射線の影響を受けやすいため、妊娠中の方や赤ちゃん、子どもとの接触も控えるのが賢明です。授乳中の方の場合、検査後は母乳に微量の放射線が含まれるため、検査後24時間は授乳を控えるよう医療施設から指示されることがあります。また、添い寝や抱っこなど密な接触も可能であれば12時間は避けたほうがよいです。

PET検査後、ペットとの接触は問題ない?

PET検査後の飼い主が、犬や猫などと触れ合うことでペットにどんな影響があるかについて調べたデータはありません。しかし、近年では動物医療として犬や猫に対してPET検査を行うことがあり、PET検査が犬や猫の身体に大きな影響を与える心配はないとされています*7。このことから、PET検査を受けた飼い主から放出される放射線が犬や猫の身体に大きく影響するとは考えにくいと言えます。

PET検査後の食事に制限はないが、飲酒は控えめに

PET検査後は、普段通りの食事で問題ありません。飲酒については明言されていませんが、薬剤の排出をうながす意味では、アルコールの摂取は控えたほうがよいと言えます。アルコールを摂取するとトイレに行く回数が増え、体内の必要な水分まで排出し脱水状態となり、体内に残った薬剤の濃度が高くなる可能性も考えられるためです。検査後の水分補給はアルコールではなく、水やお茶にしましょう。

PET検査後の性交渉は問題ないか

PET検査の各ガイドラインおよびFDG薬剤の添付文書には、PET検査後の性交渉について注意喚起する記載はありません*2,*3,*5。すなわち、PET検査後の性交渉は問題ないと考えられます。ただし、気になる場合は、影響がなくなるとされる24時間経過後を目安とするとよいでしょう。

PET検査後にだるさや疲労感、倦怠感が現れることはある?

PET検査で使用する薬剤は、副作用がほとんどないとされています。一方、実際にPET検査を受診した方からは、PET検査後にだるさや疲れを感じたとの声もまれに聞かれます。原因ははっきりとわかっていませんが、PET検査後に倦怠感や疲労感が現れたり、普段と体調が違うと感じたりした場合は、検査を受けた医療施設に相談してください。

付き添いの方の注意点

PET検査では、機械で放射線をあてているわけではありません。体内に注射するFDG薬剤の中に微量の放射線が含まれているため、注射をした患者の体内からわずかに放射線が放出されています。

患者に付き添う方も多少なりとも被爆をするため、PET検査の際に子どもや妊娠している方を一緒に連れていくのは避けましょう。また日常生活において介助が必要な方の場合には、必要最小限の人数にしましょう。

人間ドックのミカタでは、PET検査に関する記事を複数掲載しています。記事一覧はこちらからご覧いただけます。

参考資料
*1.国立国際医療研究センター病院 PET-CTとは
*2.日本核医学会「FDG PET,PET/CT 診療ガイドライン 2020」
*3.日本核医学会、日本核医学会PET核医学分科会「FDG-PET がん検診ガイドライン 第3版」2019年
*4.日本核医学技術学会学術委員会、日本核医学会 PET 核医学分科会、日本核医学会分子イメージング戦略会議「がんFDG-PET/CT 撮影法ガイドライン第2版」2013年
*5.日本メジフィジックス株式会社 FDGスキャン注 添付文書(2023年改訂)
*6.環境省 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料 がんのリスク(放射線)
*7.日本獣医師会 日本獣医師会雑誌第63巻(2010年)「—動物医療における高度放射線診療の体制整備(Ⅱ)—獣医核医学診療の臨床現場における留意点」

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上昌広
こちらの記事の監修医師

特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長

上昌広(かみ まさひろ)
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈
こちらの記事の監修医師

ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本 佳奈(やまもと かな)
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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